Taklamakan

ぐったりした日常の断片

食べることが苦痛になりがちな人間もいる ──少食でうつで食に関心がないと、えらいことになる

 

そういう人間もいるのだ

 「食べることが苦痛である」。それってどういうことよ??というひとと、あ〜わかる、というひとの、世の中にはどちらが多いのだろうか。やっぱり前者なのかな。兎にも角にも人生は死ぬまで続くマラソンのようなもので、人間に生まれてしまったからには基本的に食べ続けなければ生命を維持することはできない。ぶっちゃけ生命維持に関してはどうでもいいようなところがあるのだけれど、食べないことによって発生する不都合がでかすぎるので、食事をがんばらざるを得ない。この話題に関しては、オモコロの加味條さんが書かれた以下の記事が最もわかりやすいと思っているので、私の文章は読まずにこれだけ読んでいただければ十分だと思います。

 緊急開催!少食はつらいよ座談会

 しかし私も「食べ=やや苦痛(になることがある)」ということについてインターネットで訴えたいので書きます。お付き合いいただける方がいらっしゃれば幸いです。

「食べる」という営み

 まず、「食べる」ということは単純に「食事をする」ということだけではなく、それに付随する文脈やそれに至るまでのプロセスも含めたところではじめて成立するものだと定義する。

 そこだよ、そこ!!!

治五郎先生の声が聞こえましたか?なんだし、と思った方は2019年大河ドラマいだてん〜東京オリムピック噺〜』を観てください。
話を戻すと、「食事をする」ところまでたどり着くためには、

①材料を買い、調理する
②調理済みの食品を購入する
③飲食店等に入り、メニューを注文する

という行為が必要になってくる。私はそもそも自炊ができないので、②が最も多く、③は金銭的に余裕があるときの選択肢だ。①はせいぜいお米を炊いたり、レトルト食品をレンジでチンしたりする程度しか行わない。まずこれらがめちゃでっかい壁になる。ただでさえ食に興味がないというのに、食事の選択に脳みそのリソースを割かなければならないのは、精神疾患持ちにとってはきつい。究極やばいときはウィダーインゼリー(もしくはそれに準ずるもの)と塩おにぎりくらいしか胃が受け付けないし、選ぶことに体力を削がれるので実質的にこれしか選択肢がない。
もちろん、調子が悪いときだと調理などもってのほかで、飲食店に入るとしても自分が食べられそうな・ある程度好みの・お手頃価格のメニューを選ぶことも困難である。
「選択/決定」という行為は脳みそにかなり負担がかかる。そのため使い始めてから2〜3年経過した格安Androidスマホのように、すべての動作がもっさりとした状態の脳では実行が難しくなってくるのである。 しかもほぼ確実に発生する店員さんとのコミュニケーションは、精神が終了しているときだと心理的にとてつもない負荷がかかる。セルフレジは本当にありがたい。現金が使えるセルフレジのことを心から愛しています。

なぜ、この人はこんな記事を書いているのか?

 こんな感じで手段はいろいろある。同じくその内容についても己でカスタマイズしていかなければならない。土日は同居している父に作ってもらえるけれど、平日はフルタイムで働いているうえ自宅から職場がめちゃくちゃ遠いので、時間的にも体力的にも父に手作りのご飯を用意してもらうことは不可能だ。よって一週間のうち5/7は完全に、三食すべて己の裁量で「なにを選び、食べるか」を決定しなければならない。これがどれだけ自分にとって負担がかかるか、実際に経験してみるまで理解できていなかった。かつては母が私たちの食のほとんどを担ってくれていたけれど、彼女はもうこの世にいない。本当によくがんばってくれたと思う。晩年の母は、「食べることは生きること」とよく言っていた。私と違って母はあんなに食べることが好きだったのに、どんどん食べられなくなってしまった。みるみるうちに痩せてしまった。母は病気の影響でそうなってしまったが、私は現在、単純に「自分で食事を用意する」ということへの経験不足と己の食への興味の薄さにより、極端な体重減少がとまらない。私もうつを患ってからゆるやかに痩せていったが、ここ最近の痩せっぷりはかなりまずい。実を言うと、BMI値が15.29(2023/7/5時点)だったのである。WHOによると、BMI16以下は「やせすぎ」、いちばん端っこにある項目である。つまり「これ以上はアカン」という国際的な基準をぶっちぎっているということだ。いくら人生で標準体重に達したことが一度もないといっても、ここまで来るとさすがの私も危機感を覚えた。せめて、もともとの「やややせ」まで持っていきたい。そう思って「食生活監視チャンネル」という名前のDiscordサーバを立て、入ってもらえるひとを募集したところ、2名加入してもらえた。

こんな感じで、私が一日で食べたものを報告するだけのチャンネルである。この記事のために再度体重を計って計算してみたところ、約一週間でBMI値が15.47(2023/7/12時点)に増加していた。これだけみると、たいして変わらないようだが体重自体はおよそ0.5kg増加している。このままいけば、単純計算で一ヶ月に+2kgの体重増加が見込める。
「Discordは既読もつかないから、パノプティコンの看守のつもりで入ってくれ」と言ったのだが、しっかりリアクションしてくれていて本当にありがたい。入ってくださったお二人によい報告ができるように、今後もがんばります。そう言いながらも今日は調子が出ず…ウィダー片手にこの記事を書いています……。謝罪……ッ!

低糖質とはなんだ?なめているのか?(そんなことはない)できる限り楽してカロリーを摂取したい人間もいる。ここにいるのだ。こんな人間もいるよ、ということを伝えたかったのです。仮にだれかに「もっと食わんか」と勧めたとして、相手に断られたら、それは遠慮ではなくほんとうに必要がない場合もあります。というかそっちがほとんどだと思う。「これ以上食べるのは苦行」という意思表示なので、「あ、そう?」とその手を引っ込めてください。よろしくお願いします。

ちなみに

今日の日報でも述べたが、会う人会う人み〜んなに「痩せた?」と訊かれてしまう。助けてくれ。私は気にしないのだけれど、たとえば摂食障害などで深刻に悩んでいるひともいるので、他人の体型変化にはむやみに触れないのが吉だぞい。それではみなさまごきげんよう

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